全体分析
大問2問の形式でおおむねセンター試験と同様の出題であった。
第1問が従来の小問集合形式、第2問が陽イオン交換樹脂をテーマに据えた大問形式となった。
このため配点が第1問(小問集合)30点、第2問(大問形式)20点となっている。
第1問
化学基礎全範囲から小問集合形式で出題された。
見慣れないグラフを使った2桁整数を答える問題が出題されたが、問われていること自体は典型的であった。
第2問が複雑だからか比較的シンプルな出題が多かった。
第1問設問別分析
問1.
単体・化合物。混合物を分類する問題。
この手の問題としては頻出の物質が並んだ。
問2.
物質内に含まれる酸素の物質量を計算する問題。
全選択肢の検討が必要だが択数が少なく暗算できるように工夫されている。
問3.
グラフ内の陽子、中性子、価電子を決定する問題で見慣れない形のグラフで出題された。
a グラフ内の陽子・中性子・価電子を決定する問題。
それぞれのグラフの特徴をとらえられるかがポイントだった。
b グラフをもとに質量数、原子番号を計算する問題。
計算自体はシンプルだが見慣れないグラフの意味するところをわかるかが大事であった。
問4.
結晶の電気伝導性についての語句選択問題。
文章自体はよくみるかたちのものである。
問5.
金属のイオン化傾向に関する出題。
消火についてとあるが文章とは関係なく解答可能。
問6.
酸化剤を選ぶ問題で、頻出項目である。
問7.
質量パーセント濃度から溶液に含まれる物質量を計算する問題。
密度をうまく扱えたかがポイント。
問8.
燃料電池の計算問題。
反応式の量的関係を考えること。
第2問
陽イオン交換樹脂をテーマにした大問形式。
見慣れない実験で特に最後の設問はステップが多く今回最難関。
実験を通してはいるが実験と関係ない問いもありそこは解答したい。
第2問設問別分析
問1.イオン交換樹脂についての理解を問う問題であった。
a
正塩についての選択問題。
選択肢がうまくつくってありひっかかりやすい。
b
イオン交換樹脂についての理解を問う問題。
リード文の読解力も必要。
問2.陽イオン交換樹脂を用いた実験の問題。
難易度の高い問題が並んだ。
a
pHの近い水溶液を選択肢から選ぶ問題。
得られた水溶液の液性をリード文から推定した上で選択肢の検討が必要で難しい。
b
正しい実験操作を問う問題。
内容としてはよくあるが慣れていないと悩むだろう。
c
試料内の水分量を実験で求める問題。
実験操作を正確に把握した上で多段階の計算ステップを経る必要がありかなり難しい。
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