全体分析
センター試験及び第1日程と変更なく大問2問で出題された。
第1問が小問集合形式、第2問がイオン結晶をテーマに据えた大問形式となった。
第2問でグラフ作成問題が出題された。
グラフ作成問題は化学では試行調査・本試験で出題されたが化学基礎では試行調査・第1日程のいずれでも出題されていない新形式問題となった。
第1問
化学基礎全範囲から小問集合形式で出題された。
形式としてはセンター試験から変化ないものの、ところどころに難しめの出題が増えており全体としてやや厳しい。
第1問設問別分析
問1.
原子の電子配置をもとに解答する問題。
a 電子数から元素記号を決定する問題。
化学基礎として覚えるべき範囲での出題になっている。
b 原子の性質についての選択問題。
電子配置から元素を特定しさらに性質について考える必要もあり手間である。
問2.
原油の精製方法についての問題。
各文章自体には矛盾はなく原油を精製するために適切なものを選ぶ形であった。
問3.
共有結合を含む物質を選ぶ問題。
該当するものをすべて選ぶため消去法はききにくい。
問4.
気体の分子運動のグラフを読み取る問題。
実質的にはグラフさえ読み取れれば化学知識がなくても解答できる。
問5.
アンモニア、アンモニウムイオンの配位結合に関する正誤問題。
互いに関連しているとはいえ3問完答で得点のため厳しい。
問6.
中和反応による硫酸濃度の計算問題。
公式に単純にはあてはめられず工夫して立式する必要があった。
問7.
化学反応式における酸化数の変化を考える問題。
化学基礎としては頻出内容である。
問8.
条件から金属を特定する問題。
マイナー気味の知識も含まれているため知っている知識から特定していくのがよい。
問9.
試料中のケイ素含有量を求める問題。
文章がながくダミー情報もあるため適切な情報を拾い上げていく必要があった。
第2問
イオン結晶をテーマにした大問であった。
作図問題が出題されたうえに、グラフ自体が化学基礎では学習しないグラフであったためかなりの難問である。
第2問設問別分析
問1.イオン結晶に関する文章をもとにした出題だった。
a
イオンの大きさを説明した文章の適語補充問題であった。
化学基礎までの学習では少々難易度が高いものであった。
b
硝酸カリウムの冷却に伴い析出する物質量を計算する問題だった。
グラフから必要な数値を読み取りステップ数もおおいが、化学基礎としては頻出内容であった。
問2.水溶液の電気の通しやすさから水溶液中のイオン濃度を測定する問題。化学基礎では扱いのない内容で難問だった。
a
与えられたデータからグラフを作成し完全に反応するのに必要な水溶液の量を計算する。
作図だけでなく作図結果から考察をはさむ必要があることから難易度は高い。
b
反応により生成する沈殿の質量を求める問題。
こちらは化学反応式の量的関係を考えればよい。
c
用いた水溶液の濃度を求める問題。
aとの連動問題になっておりa自体が難しいため非常に難しい。
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