共通テスト数学ⅠAには選択問題が設定されています。
数学Aの「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」の3題のうちから2題を選ぶもので、それぞれ配点が20点、2題選択のため100点満点中40点を占めます。
共通テスト数学ⅠAは制限時間が厳しく、どの問題を選択するかという戦略でも大きく点数が左右されてしまいます。
共通テスト数学ⅠAの選択問題のそれぞれの出題内容と選び方を解説します。
選択する2題はいまのうちから決めておくべき!
「どの大問も習ってるわけだし、試験本番に問題をみて解けそうな問題を選択すればいいんじゃない?」
と思う人もいるでしょう。
これは一理ありますが完全に正しい選択とはいえません。
確かに3題の出題単元のすべてを勉強して不測の事態に備えることはよいことですし、最終的にはどの選択にしても得点をとれるように勉強すべきではあります。
しかしながらこの方法には
「時間に圧迫される」
という大問題が存在します。
2021年実施の共通テスト数学ⅠAの出題状況をみてみると、
第1問(30点)
[1] 数と式
[2] 図形と計量
第2問(30点)
[1] 2次関数
[2] データの分析
第3問(20点)
場合の数と確率
第4問(20点)
整数の性質
第5問(20点)
図形の性質
となっており、実質6問を70分で解く必要があります。
1問あたりで11分程度で、ここからさらにマークする時間がとられます。
ここからさらにマークする時間もとられることにになります。
実質問題を解くのにかけられる時間は1題あたり11分程度となります。
ちょっと方針に悩んだり計算があわなくてやり直したりするだけでなくなってしまうかなり短い持ち時間です。
実際に模試などで体験してみるとわかりますがかなり厳しく、時間内に解ききれないこともでてくるでしょう。
もしも選択問題を全部みて(ちょっと解いてみて)総合点が高くなるように問題を選択する方針だと
ただでさえ短い持ち時間が1問あたり10分までになっていまいます。
時間制限の厳しさという問題があるので、共通テスト数学ⅠAの選択問題はあらかじめ選択する2題を決めておき特にトラブルが起きない限りは選択しない1題は解かずに時間短縮を狙うべきです。
ただし選択しない1問も勉強しておくのは十分ありえる選択です。
というのも、共通テストでは思考力を問うと称し見慣れない問題や題意のとりにくい複雑な問題が出題されています。
こういった問題は壁を突破してしまえば解ききるのが難しくないのに壁を越えられない故に0点となる危険性がふんだんに含まれています。
選択した問題でこういった事故にあわないようにするため、残りの1題も選択した問題がどうしても解けないときの緊急避難として準備はしておくのがよいでしょう。
共通テスト数学ⅠA選択問題
共通テスト数学ⅠAで選択問題になるのは数学Aの3分野です。
- 場合の数と確率
- 整数の性質
- 図形の性質
- それぞれの特徴をみていきましょう。
場合の数と確率
順列、組合せ、条件付き確率などが出題されます。
この分野の特徴は「最悪数え上げられる」ことにあります。
どうしてもわからなかったり、解答が枠にあわなくてどうしようもなくなっても数え上げることで強引に正解をだすことができます。
組み合わせが100以上とかあると大変ですが最悪数え上げればいいということは覚えておくと役に立ちます。
センター試験では36通りしかパターンのないむしろ数え上げるほうがはやいような問題も出題されていました。
整数
センター試験では素因数分解、不定方程式、n進数などが頻出でした。
共通テストでは不定方程式・整数の剰余などが出題されました。
特に不定方程式は毎年毎回出題されているほどの頻出項目です。
図形の性質
内接円の半径、チェバの定理、メレラウスの定理など。
公式の数が比較的多く、どの図形を取り出すか、どの図形にどの公式を適用するか、どの図形とどのどの図形が相似か、など図形的なセンスが問われます。
共通テストでは三角比と絡めた問題や誘導に従って証明する問題・作図の問題など
かなり難しい問題も出題されました。
ではどれを選ぶのがいいんでしょうね?
確率と整数
二次試験を受験する人なら文型理系関係なくこのパターンがおすすめ。
というのもこの二つの分野は文系理系問わず二次試験で頻出で問題集でもおおきく扱われているため二次対策をメインにすることで自然に高いレベルまで到達しているからです。
図形の性質は二次試験では確率、整数に比べて出題頻度がやや低く共通テストのために意識して勉強しないと高レベルに到達しにくいのです。
確率と図形の性質
この選択のメリットは旧課程の過去問が参考になることがおおきいでしょう。
整数の出題は旧課程以前にはなく、センター試験の過去問を演習に使えないのです。
確率と図形の性質は旧課程以前から出題されている分野のためセンター試験過去問を使った演習がしやすいのです。
特に旧課程の図形の性質は三角比との融合問題となっていて共通テストに近い形式で出題されていました。
整数と図形の性質
何よりも「確率を選択しなくても済む」パターン。
確率は解法が独特で勘違いしやすく解きにくい分野です。
それゆえ苦手にしていて出来れば避けたい人もおおいはず。
数学を使うのが共通テストだけで、確率が苦手なら選択肢にはいる選択パターンです。
ではオススメは?
過去の出題実績から難易度はどれを選んでもかわらないように配慮されています。(たまに極端に易しかったり、難しかったりする問題もありますが、傾向として)
つまりどの2題を選択したからといって有利不利がでることはあまりありません。
結局は自分の好きな2題を選択するのが一番ですが、あえてオススメするなら
「確率」と「整数」です。
選択を固定しない
選択問題は一度決めた2題に固定して本番まで練習したくなりますが、選択した2題にあまりこだわらず柔軟に変えていくことも大事です。
共通テスト本番まではまだ時間がありますから、今現在は苦手だと考えて選択していない単元が勉強をすすめるうちに得意になることはそうめずらしいことではありません。
共通テスト本番では選択する2題は固定しておくべきですが、あくまで練習の現段階では柔軟にかえることも大事です。
まとめ
共通テスト数学ⅠAの選択問題の各問題の特徴と選択パターンについて解説しました。
オススメは「確率」と「整数」ですが、結局は自分の得意苦手と相談して決めるのが一番です。
自分の点数を最大化できる選択パターンをみつけてみましょう!
選択パターンの練習には実践問題集がおすすめです。
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