二重結合にへの分子の付加に関する法則マルコフニコフ則を解説します。
マルコフニコフ則自体は教科書では発展項目と位置づけられており多くの場合出題されませんが、
レベルの高い大学ではリード文での説明を絡めて、あるいはまったくの説明なしで出題されることがあります。
過去問を確認して出題歴があるなら覚えておくべきです。
二重結合への分子の付加
二重結合を中心に対称でない有機化合物に水のような対称でない構造の分子が付加する場合、構造上2種類の生成物が考えられます。
たとえば、プロペンに水が反応する場合を考えると、どちらにどちらが付加するかによっていかのように1-プロパノールと2-プロパノールの2種類の生成物が考えられます。
1-プロパノールと2-プロパノールが1:1で生成するわけではなく、実際に反応させてみると2-プロパノールが発生し1-プロパノールはほとんど発生しません。
マルコフニコフ則
このように二重結合に付加反応した生成物が2種類考えられる場合、ある1種類が主に生成しもう片方はほとんど反応しないことが知られています。
主に生成する反応物がどれかをまとめた法則をマルコフニコフ則といいます。
「非対称の分子が非対称の二重結合に付加するとき、二重結合の2つの炭素のうち結合している水素原子の多いほうの炭素に分子の陽性部分が結合する」
プロペンの例では水素原子の多いほうに陽性部分であるH+が結合する結果2プロパノールが主に生成します。
例題
1-ブテンに塩化水素が付加する場合主として生成する化合物を答えよ。
例題の答え
マルコフニコフ則から2種類の生成物のうち、水素の多いほうの炭素原子に陽性部分である水素が結合する2-クロロブタンが主生成物となります。
練習問題
2-メチル-2-ブテンに水が付加する場合主として生成する化合物を答えよ。
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