マーク式模試 化学 第2問 解説

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マーク式模試化学第2問の解説を行います。

まだ解いてない人はぜひ解いてみてください。

問題はこちら

問1

熱化学方程式と結合エネルギーに関する問題。

結合エネルギーが与えられた場合, 基本的には全てバラバラの原子に分解された状態のエネルギーを基準に考えます。

エチレンの生成についての熱化学方程式は,

2C(黒鉛)+2H2(気)=C2H4(気) -52 kJ …(1)

また, 黒鉛の昇華熱をQ[kJ/mol]とおくと

C(黒鉛)=C(気)-Q[kJ] …(2)

さらに, 結合エネルギーの数値より

H2(気)=2H(気)-436 kJ …(3) C2H4(気)=2C(気)+4H(気)-(584+4×415) kJ …(4)

2×(2)+2×(3)-(4)より 2C(黒鉛)+2H2(気)=C2H4(気)-{2Q+2×436-(584+4×415)} kJ

(1)式と比較すると -{2Q+2×436-(584+4×415)}=-52

したがって, Q=712 kJ/mol より, 正解は④です。

問2

反応速度式の係数を実験結果から決定する問題。

式(2)と与えられた表の数値から, 次の(3)~(5)式が成り立ちます。

2.0×10-5 =k×(1.0×10-2)a×(1.0×10-2)b …(3)

6.0×10-5 =k×(1.0×10-2)a×(3.0×10-2)b …(4)

3.2×10-4 =k×(2.0×10-2)a×(2.0×10-2)b …(5)

(4)÷(3)よりb=1 さらにこのもとで, (5)÷(3)よりa=3 すなわち, (a,b)=(3,1)と求まるので, 正解は⑥です。

問3

 a ③ 多段階滴定に関する問題。

水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合物に塩酸を加えていくと, 次の(1)~(3)の反応が段階的に起こります。

NaOH+HCl→NaCl+H2O …(1)

Na2CO3+HCl→NaHCO3+NaCl …(2)

NaHCO3+HCl→NaCl+H2O …(3)

またフェノールフタレインの変色域はpH 8.0~9.8であり, 酸性色は無色, 塩基性色は赤色です。

一方メチルオレンジの変色域はpH 3.1~4.4であり, 酸性色は赤色, 塩基性色は黄色です。

よって, コニカルビーカーAにおいては(2)までの反応の時点でフェノールフタレインが赤色から無色に変化し,コニカルビーカーBにおいては(3)までの反応の時点で, メチルオレンジが黄色から赤色に変化します。

したがって正解は③です。

  b ① はじめの混合溶液中に含まれていた水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの物質量をそれぞれx [mol], y [mol]とします。

はじめの水溶液100 mLからコニカルビーカーA,Bに10 mLだけ取っていること,またAでは(1)と(2), Bでは(1)~(3)の反応が起こることに注意すると, 反応式の係数から,以下の二式が成り立ちます。

moshi7.png

これらを解くと, x=0.0500 mol, y=0.0500 molと求まるので, 正解は①です。

問4

 a ③ 電気分解に関する量的な計算問題。

陽極、陰極で起こる半反応式は以下のとおりです。

陽極: 2Cl → Cl2 +2e

陰極: 2H2O+2e → H2 +2OH

上の二式より, 電子2 molにつきCl2とH2が1molずつ(合計の質量は35.5+2.0=37.5 g)生成します。

次に, はじめに存在するClの物質量を考えます。

塩化ナトリウム(NaCl, 式量58.5)1.17gと塩化カルシウム(CaCl2, 式量117)1.11 gからは

moshi8.png

のClが得られます。

したがって電気分解で使われる電子は, 反応式の係数より0.0400 molです。

よって, 生成する気体の合計の質量は、

moshi9.png

と求まります。

したがって正解は③です。

このあたりは計算ミスしやすいので注意してくださいね。

b ② aの問題で考察したように, 使われた電子は0.0400 molですから, 求める時間をt [秒] とすると, 電気量に関する式より,

moshi10.png

この式を解くと, t=3.86×104 秒と求まります。したがって, 正解は②です。

以上で第2問の解説を終わります。

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