【数学ⅠA】共通テストの問題評価・分析委員報告書を読んで2023年の共通テストの傾向を予想する

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共通テストでは実施後に問題作成委員会と外部団体によって問題の分析・評価が行われて公開されています。

翌年度以降の共通テストはこれらの外部評価・分析を参考に作られていると思われるため

受験生も目を通す価値は高いです。

今回は数学ⅠAの問題評価・分析委員報告書を読んで2023年度の共通テストの傾向を予想します。

2022年度数学ⅠA平均点

2022年度の数学ⅠAの平均点は37.96点で、共通テストから数えても最低の平均点でした。

また、平均点をおおむね5割程度になるように作問するとされていることから大学入試センターの想定を大きく下回った難しい試験でした。

高等学校教科担当教員の意見・評価

高等学校教科担当教員の評価を要約すると、

・「数学Ⅰ」「数学A」全範囲からまんべんなく出題されている

・設問内容は学習指導要領範囲内で適切である

・基本~標準的な問題で構成されている

・難易度を高い問題が散見されるが深い学びを実現させるために意義はある

とのことで、また

計算量の多い問題が散見された。思考力・判断力・表現力等を発揮して解くことが 求められる問題への更なる改善に向け,これらの計算の分量・程度についてはより一層議論を進め ていただきたい。

日常生活や社会の事象を扱う問題場面では,数学的な問題を見いだす過程や得られた結果を元の 事象に戻して考える過程を意識させ,数学の事象に着目し解決過程を振り返る問題場面では,統合 的・発展的に考える過程や,体系的に考察する過程を意識させるものとして機能している。数学的 な問題解決の過程を重視し,問題作成方針に合致したものであり適切であるとともに,生徒が主体 的・対話的な学びを通して学習過程を進める力を育成するための授業改善に向けた示唆を与えるも のであり,高く評価できる。

とのことで、難易度の高い問題や日常生活の事象を問うような問題に対して一定の評価をする一方で、計算の多さ・難易度については懸念を示すことになりました。

公益社団法人 日本数学教育学会の意見・評価

公益社団法人 日本数学教育学会 によると、

・数学ⅠAの一部で数学Ⅰと共通問題が出題されており選択科目間での難易度差が生じない工夫がなされている

・本質的理解を問う問題や総合的・発展的に考える思考力を問う問題・日常生活や社会を数学的に処理する問題が出題されている

ということで、

内容の本質的な理解を問う設問,統合的・発 展的に考える思考力を問う問題,日常生活や社会の事象を数理的に捉え数学的に処理し問題を解決 する設問を引き続き出題することを要望しています。

また、個々の問題の質の高さを評価する一方で多くの受験生にとって時間が足りず、全体を通して解答時間の面を考慮することを要望しています。

問題作成部会の見解

問題作成部会としては

計算量の多さに対して、

大学入学共通テストが志向する思考力・判断力・表現力等の評価と いう観点から検討を進めていきたい。

としており計算量の多さについては認識しているものと思われます。

まとめ

センター試験から数えても例をみないほど平均点の低かった2022年共通テストでしたが、

その平均点の低さとは裏腹に思考力をはかるのに適切な良問であると評価されています。

それと同時に、制限時間に対する問題量の多さ・計算量の多さを指摘されています。

このことから、2023年についてはある程度問題量・計算量については抑えられものの引き続き難易度の高い厳しい問題が出題されると考えられます。

かなり難易度の高い問題にも対応できるように、実践問題集などを利用して演習をつむことをお勧めします。

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