共通テストでは実施後に問題作成委員会と外部団体によって問題の分析・評価が行われて公開されています。
翌年度以降の共通テストはこれらの外部評価・分析を参考に作られていると思われるため
受験生も目を通す価値は高いです。
今回は化学の問題評価・分析委員報告書を読んで2023年度の共通テストの傾向を予想します。
2022年度化学平均点
2022年度共通テスト化学では平均点が47.63点で
理科全体の中で最低点でした。 (物理60.72点,生物48.81点,地学52.7点)
化学が最も平均点が低く難しい状態が複数年にわたり続いています。
平均点は50点を目標に作成されるため、複数年にわたりやや難しい出題が続いています。
高等学校教員の分析によると、化学の平均点の低さから高校生が学習を避けることが懸念されるため、他の科目との難易度差を抑えるように求めています。
そのため2023年度化学はやや易しくなるか、同程度の難易度になると思われます。
ボリュームについて
高等学校教科担当は平均点が低いことに対して
従来のセンター試験と比較してより高度は思考力、判断力、表現量を要する問題も含まれており
計算問題が増加して全体として難化したことを挙げています。
問題作成部会はこれにたいして引き続き積極的に取り上げながらも思考力・計算力を伴う問題のバランスは必要な解答時間を含めて検討するとしています。
引き続き難易度の高く時間のかかる問題が出題されることから
2023年度も制限時間の厳しい出題になるでしょう。
出題分野について
化学会によると、
無機・有機分野の出題割合が少ないとされ、これは総合的な問題に偏ったために理論化学の割合が増えた結果と分析されています。
実際センター試験自体はほぼ等比率だったものがかなり理論化学に配点が偏っています。
ところが作問部会によると
分野比率については言及されておらず、2022年度に続いて理論化学重視の出題がなされると思われます。
まとめ
個々の問題については良問と評価される一方でボリュームの多さや計算の多さが指摘されており
今後は時間を浪費することがないように計算に工夫をこらすとしています。
また総合的な出題が増加したことによる理論化学重視傾向については、引き続き総合的問題が出題されることにより継続するものを思われます。
作問部会によると化学が暗記科目と誤解されないように単純な記憶だけで解答できる問題を極力少なくしたとのことで、今後も暗記だけで対応できない問題が多数出題されるものと思われます。
(ただし、過度に難しくならないように工夫するともある)
総合的に、2023年は問題の難易度自体はそれほど変わらず油断できない出題が続く一方で、さらに工夫が施されることでやや解きやくなると思われます。
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