数学は暗記科目か、あるいは理解が重要かというのはよく議論になるものです。
この記事では数学が暗記と理解どちらが重要かの考え方の一つを示します。
暗記の定義
一般的に数学は暗記かどうかを考えるとき、数学を暗記だという場合は
「問題文や答えの数値を丸暗記する」という意味ではなく、
「問題の型ごとに解法や有効な式変形を覚える」という意味です。
一方で数学は理解だという場合は1問1問じっくり時間をかけて考えて
問題の解法の根拠や数学的背景・公式の証明なども含めて理解するという意味です。
この記事でも同様の意味で用います。
結論:ほとんどの人にとって暗記科目だ!
さて、「数学は暗記か」に関する答えですが、超トップクラスの大学を目指す、特にトップ層の受験生を除いて、暗記するのが圧倒的に効率が良い」と考えています。
根拠を示します。
ほとんどの問題が典型問題である
実際に大学入試で出題される数学の問題のほぼすべてがいわゆる典型問題です。
大半の大学ではすべての問題が典型の範囲内におさまっていて、典型問題を覚えてさえいれば余裕をもって合格点に達します。
トップクラスの大学ではパターンからはずれているといえる問題がでることもありますが、そのトップクラスの大学でも典型問題がいくらかは含まれていて、結局のところ
いかに典型問題をミスなく正解できるかが合否を分けているということも珍しくありません。
ちゃんと理解しようとすると時間がかかる
1問1問をじっくりと理解するとなると、1問あたりに相当な時間がかかります。
数学の典型問題は何百問とあるなかで、1問1問に時間をかけていたら時間がいくらあってもたりません。受験で使うのは数学だけじゃないので、時間を削れるなら削ったほうが効率的ですね。
暗記することで本番の時間短縮になる
入試本番での時間戦略でも有効です。
たしかにしっかり理解していれば覚えてない典型問題が出題されても解けると思います。
ただ時間もかかるし、試験場で解法を編み出すのは難しいですね。
一方で覚えていれば(計算はいりますが)覚えていることを再現して書き出すだけなので、時間も節約できるし簡単です。
その分初見問題に時間をかけることができればさらに得点を積み重ねることができます。
多くの大学がそもそも解法を知っている(覚えている)ことを前提にした制限時間になっていることが多いので、実質的にはほぼ典型問題の暗記は必須といえます。
まとめると、そもそも覚えてれば対応できる問題しかでないなら、覚えちゃうほうがはやいし、本番も制限時間の面で有利だよねってことです。
トップクラスの受験生は例外だ
ただし、超トップクラスの大学を目指す、特にトップ層の受験生については例外です。
トップ層の受験生はすでに覚える必要のあるような問題は一通り覚えているはず(覚えているからこそトップ層にいる)なので、トップクラスの大学を目指し数学で他受験生と差をつけるためには、特別難しい初見問題を解けるようになる必要があり、その段階を目指していくならば理解を重視するほうが重要になってきます。
ただほとんどの受験生はそこまでレベルを高めて数学で差をつけなくても、他の科目でも得点できれば合格点に達するでしょうから、やはり理解重視が必要なのはごくごく一部です。実際に理解が重要になってくるは数学が大得意で数学で得点を稼ぎたい人か、苦手な科目があって数学で挽回せざるを得ない人くらいです。
私が「受験数学は暗記だ」と考える理由をお話ししました。
もちろん人によって考えは違うとは思いますが、一つの考えとして参考にしてください。
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