マーク式模試 化学 第4問 解説

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マーク式模試化学第4問の解説を行います。

まだ解いていない人はぜひ解いてみてくださいね。

問題はこちら

問1

代表的なカルボニル化合物である, アセトアルデヒドとアセトンに関する基本的な知識を問う問題。

選択肢ごとに見ていきましょう。

① アセトアルデヒドの沸点は20℃, アセトンの沸点は56℃であり, メタノールの沸点は65℃なので, 記述は誤りです。

メタノールの沸点が高いのは, 分子間水素結合が形成されているためです。

② アセトンを還元すると2-プロパノールを生じますが, アセトアルデヒドを還元するとエタノールを生じるので, 記述は誤りです。

③ ヨードホルム反応を示すのはCH3-CO-R (RはHを含む炭化水素基)ですから, アセトアルデヒドCH3CHOとケトンCH3COCH3はどちらもヨードホルム反応を示します。

したがってこれが正しい記述です。

④ 還元性を持つのはアセトアルデヒドのみなので, フェーリング液を還元するのはアセトアルデヒドのみです。

したがって記述は誤りです。

⑤ アセトアルデヒドの炭素数は2, アセトンの炭素数は3ですので, 記述は誤りです。

問2

異性体の数に関する問題。

不斉炭素原子まで含めると難しくなるので,この問題を機会にトレーニングを積んでほしいと思います。

-C=C-OHの部分構造は不安定であることも頭に入れておいてください。

(鎖状構造 : 計6種, *は不斉炭素原子)

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分子式C4H8OHで表されるアルコールの構造は以上のように, 鎖状構造が6種, 環状構造が7種の計13種あります。

したがって正解は④です。

問3

芳香族化合物に関する知識を問う問題。

① 一般にベンゼン環に対して付加反応は起こりづらく, 置換反応の方が起こりやすいため,記述は誤りです。

② ベンゼン間の炭素間結合は, アルケンの単結合と二重結合の中間程度の長さであり, アルケンの二重結合と比べて長いので, 記述は誤りです。

③ 正しい記述であり, これが正解です。

④ さらし粉ではなく, 塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えると呈色するため, 記述は誤りです。

⑤ 塩化鉄(Ⅲ)水溶液ではなく, さらし粉を加えると呈色するため, 記述は誤りです。

問4

けん化価の数値から油脂の分子量を決定するという典型的な問題。

油脂Aの分子量をMとすると, 水酸化カリウムの式量が56であり, また油脂1molに対して3molの水酸化カリウムが必要であることに注意すると, 以下の式が成り立ちます。

moshi14.png

上式を解くとM=889.8…=890と求まるので, 正解は⑥です。

問5 エステルの簡易的な構造決定と計算を絡めた問題。

 

分子式C6H12O2 の構造を持つエステルを加水分解して得られたカルボン酸が銀鏡反応を示したことから, このカルボン酸はギ酸(HCOOH)であることがわかります。

したがって, 残されたアルコールの分子式をCnHmOlとおくと, 加水分解反応の化学反応式は C6H12O2 + H2O → CnHmOl + HCOOH 上式のC, H, Oの数を合わせると, (n,m,l)=(5,12,1)と求まるので, 得られたアルコールの分子式はC5H12Oです。

よって正解は⑥です。

  b

C6H12O2 の式量は116, C5H12Oの式量は88ですので, 求める収率をx[%]とおくと, 次式が成り立ちます。

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これを解くと, x=82.1…=82%ですので, 正解は③です。

以上で第4問の解説を終わります。

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